福原将宜1st Solo Album「PREMIER CRU ~1ER CRU~」発売記念ロングインタビュー
第二弾をお届けいたします。
今回は再会、そして今回のアルバム制作に至った経緯などお話し聞いていきます。
前回はアメリカでの出会いから、日本に帰ってきてお互いの活動が活発になっていく中で二人の距離が少し空いてしまった、というお話でしたが……。
■そして再会
JT STUDIO「それが何のタイミングで再会したのか……」
柿川「2012年の12月31日!」
福原「そうだわ。俺紅白で……」
柿川「福ちゃんがNHK紅白歌合戦にコブクロのバックで出てたの。俺はテレビで見てたの。その頃ちょっと疎遠になってたんだけど、電話番号だけ残ってた。そこで、スカイメールで『久しぶり、観てたよ』っていって。『なんかやんない?』っていったら、楽屋に行った瞬間返ってきたの」
福原「そうそう、出番終わってね。すぐにね」
JT STUDIO「おお、久しぶり!みたいな感じだったんですかね」
福原「あれ!?と思って」
柿川「番組まだやってんだよ!?やってんのに返ってきたから。きっと楽屋に戻ってすぐ。だから今でも覚えてる。あれは2012年の12月。大晦日31日」
福原「そうそう、その頃にこのアルバムのアレンジャーでもある大石君(大石憲一郎氏)と、ちょこちょこ仕事してて」
JT STUDIO「へぇ、そこで大石さんが先に出てくるんですね」
福原「そうなんだよ。大石くんは2009,10年くらいからレコーディングに呼んでくれ始めてて。それである日ね、『柿川さんってしってます?』みたいな。え?知ってるも何も、みたいな話になって(笑)」
一同:(笑)
福原「そうなんだ~みたいな(笑)そういえばなんかまたやりたいな~、みたいなことをポロっと話してたりしたから。そういうタイミングでひんみから連絡来たから……、え、じゃあなんかやろうぜ、みたいなね。また時が来たのかもしれない、みたいな」
JT STUDIO「そうだったんですね。そこからは多分僕も知ってる歴史になるんだと思うんですけど、カッキーさんと作ってた楽曲にギターを入れるって時に福原さんが来て……」
柿川「ああ~、うんうん」
福原「そうそう。だから、2013年からってことになんのかな」
柿川「うん。2013年の正月から」
福原「正月からか。そうか……」
JT STUDIO「改めて、キャリアを積んで来た後で、再会した時の印象ってお互いどうだったですかね」
福原「いや、あんま変わらないんじゃないですかね」
柿川「ただ俺がデブになったっていう」
一同:(笑)
福原「まあそれまでもやっぱりそれぞれ色々キャリア積んで来てたわけだから、それなりに変わってたんだろうけど、空気感は変わらなかったというか」
柿川「そうだね、それは変わらなかったね」
■そしてアルバム制作へ
JT STUDIO「再会して、二人の時間が新しく動きだして。一緒に何かをやる機会が増えてきたことによって、アルバム作ろうぜみたいな話が出てきたんですか?」
柿川「ていうかね、うちがナウプロの中にMDRサウンドプロダクションを作って、レーベルを立ち上げたときに、一回福ちゃんに声を掛けたの。そしたらそん時に、『あ、ひんみが本気ならお前んところで出すよ』っていう、飲みながらの話がきっかけだったの」
福原「そうそう」
柿川「で2014年にここ(JTスタジオ)が出来て、JTスタジオもそういうレーベル的なことをやろうって話が出てきた時に……ちょうど1年前くらいだったっけ? 」
JT STUDIO「そうですね。」
柿川「そのタイミングで、改めて福ちゃんに『本気でやんない?』って。そん時はまだ福ちゃんも半信半疑だった頃だと思うんだけど、動こうっていう話で、春から着々と色々準備して……という。」
福原「俺はあんまり自分自身のソロアルバムを出すって事にそこまでこだわりなかったんだけど。とはいえ、25,6年のキャリア積んで来てね。ギター人生の中で。出すタイミングが来たら出してもいいんだろし、っていう感じだったんだけど……。ほら、やっぱり俺もケツたたいてもらわないと、なかなか自分からは動けないし」
JT STUDIO「仕事としてのスタジオワークが日々ある中で、タイミングがあれば作りたいなーっていう感じではあるけど、と」
福原「自分から仕切ってとかね、そこまでの体力もないし。でも一緒にアルバムを作るとしたら、俺のことわかってくれる人がプロデュースしてくれた方が絶対いいし。あと俺アレンジャーも立てたかったしで」
JT STUDIO「なるほど」
福原「なんだろ、長年色んな人から声掛かって、秒殺でスタジオ終わらしてくるみたいな、そういう仕事の仕方して来てるから。自分から構築して、みたいなことよりも、客観的に見てくれる人がいれば話が早い、みたいな」
JT STUDIO「それで今回、サウンドプロデュースを二人で、かつ客観的にプロデュースするカッキーさん、アレンジャーとして大石さんいれて、よし、じゃあこのメンバーでやろうぜ!っていう感じってことですよね」
福原「そうそう。そしたらなんでもできるなって思って」
JT STUDIO「僕もレコーディング自体は参加させて頂いたんですけど、空気が凄くいいなって思って。チームワークが出来てるな、というか……」
福原「もうみんなでシンプルにアガるもの、良いものを作りたい、みたいなね。それしかなかったからね」
JT STUDIO「なんか改めてこう話しにしてみると、全部繋がってる感じがしますね。今のタイミングだからできたこと、というか」
柿川「だと思う」
福原「今がね、一番いい時だと思う。時が来たれりって感じで。凄くいいタイミング」
柿川「これが短かったら短かったで、全然結果違うし」
福原「うんうん」
JT STUDIO「アルバムを作るとなったときに、こんなアルバムにしたいなとか、福原さんの中でなんかイメージはあったりしたんですか?」
福原「うーん、なんていうんだろう。なんか一回聴いて、元気が出るアルバムを作りたいと思って。あとは、素材を活かしたアルバム」
JT STUDIO「はい」
福原「あまりこう、機械で作られたような感じじゃなくて、本当にヒューマンなアルバムを作りたい。かつ、メロディーもある程度キャッチーじゃないと、俺も聴き続けられないし(笑)。あとはそう、なんか人を幸せにできるような質感のアルバムにしたかった」
JT STUDIO「質感ですか」
福原「なんとなくね、質感。まあでも本当に、短期間で作った割には……しかもさ、あんまり気負いなく作った割にはすげえいいアルバム出来たよね」
柿川「うんうん」
福原「それもね、良い時期に作ったんだろうなって感じだよね」
JT STUDIO「なるほど。今回コンセプトの中にワインっていうのがあるじゃないですか。 『PREMIER CRU※アルバムタイトル』 っていうことで……。その畑で採れたワインって意味ですよね」
福原「まあそれもあるんですけど、とにかく畑自体が”一級畑”っていう名前なんですよ」
JT STUDIO「なるほど」
福原「だからもう畑自体が良い畑、その畑で作られたという。参加ミュージシャン見ていただけたらわかるんですけど、素晴らしいミュージシャンばかりで作られた……、良い素材で作られたものなんで、まさに『PREMIER CRU』ということなんですよ」
JT STUDIO「さっきの素材を活かした、というにも繋がってくる、ということなんですね」
福原「そう。でもね、もっと上に”特級畑”っていうのがあるんですけど、”特級”になるともうその先が無いんじゃないかと思って。だからむしろ”一級畑”っていうのが僕の中でこだわり。メゾンによっては”一級畑”しか作ってないところもいっぱいあるし。こだわりなんですよ」
JT STUDIO「“特級”ではなく“一級”」
福原「そう。特級になると上がなくなる。あと、ファーストアルバムの「1」というのに一級畑の「1」を掛けているというのもあるんで」
JT STUDIO「なるほど、深いですね。そう紐づけながら……」
福原「そう」
JTSTUDIO「それを受けてカッキーさんの方で、どう調理してやろうとかいうのはあったんですか?」
柿川「うん、調理してやろうっていうよりは、やっぱり学生時代にやってた福ちゃんの攻めてた時のギタープレイだったりとか、この25年間で培ってきた経験とか、色んなことのミクスチャーじゃないけど、俺としては25年前の彼との集大成、そこを上手くできればなと思って。だから1曲目、3曲目なんか俺の意見も多大に反映したかなって……(笑)」
福原「自分の曲って、自分一人で作ったものだと、次はまたこれが来るんだ、とかワクワク感がちょっと足りなくなるというか。アルバム作るとしたら、1曲もしくは2曲は絶対に人との共作で作りたかった。そしたら『お。こういう感じのメロディーがあるんだ』とか。そういうのを受けて自分もワクワクできるし」
JT STUDIO「化学反応というか、人と作る面白さというか……」
福原「そう、本当にそう。今回のアルバムは自分の曲5曲プラス一緒に作ったの2曲あるから、凄くいいバランス配分になったな、と」
JT STUDIO「当初のイメージを改めて聞いてみて、想像してた通りのアルバムになった、ということですね」
お互いキャリアを積んでからの再会。そのタイミングだからこそできた事。
そしてお互いのこだわりがみえるお話しでした。
次回は収録の様子なんかを聞いていきたいと思います。
※次回更新予定は12/29を予定しています。
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