福原将宜1st Solo Album「PREMIER CRU ~1ER CRU~」発売記念として、インタビュー第五弾をお届けいたします。
今回も楽曲にフォーカスをあてて行きたいと思います。
#4 Aligote
JT STUDIO「ジャカジャカジャカジャカってことで次は……」
福原「Aligoteね。この曲はこのアルバムでダークホース的な曲。一番飽きない曲だねこれ。何百回でも聴いてられる。Aligoteってワインの種類の名前で、すっげえ難しい白ワインでね。めちゃくちゃ美味いのもあれば、とんでもなくまずいのもあって」
JT STUDIO「へえー」
福原「で、これね。セッションした日でね、調子いい日も悪い日もあるし、セッション曲としてこういう曲を作ろうってことで、作って。フリーなスペースいっぱいある曲だから。でも途中でメロディーもちゃんと出てくるし」
JT STUDIO「うんうん」
福原「これは、このアルバムの中でも、かなり海外っぽい曲かもね」
柿川「そうだね。」
JT STUDIO「それは凄く思いますね」
福原「日本人はあまりこういう発想しないかもしれない」
柿川「あとなんていうか、ギターの重なり方っていうか。聴いて欲しい聴きどころとしてアコギであったりとか、アルペジオの美しさといいますか。それに対するエンジニアのお化粧とか……。全てが重なった空間が出来たかなっていう」
JT STUDIO「そうですね。空間を聴く音楽っていう感じはしますね」
福原「これがね、Hard Bio Funkの後に来るとね。凄い効果的。だけどギターは出てきたら、最後までジミヘンみたいなね」
JT STUDIO「かなり、移り方というか曲の展開自体が、ゆったりしてますけど、滾々と激しさみたいなのがずーっと根底にある感じが、ワインの難しさ、みたいなところに、繋がっていってるんですね」
福原「そうそうそう。この曲聴いて、Aligoteって言葉しか出てこない。今や」
JT STUDIO「出てこないです」
柿川「洋楽っぽい」
JT STUDIO「なんていうか聞けば聞くほど好きになりますね。面白い曲」
福原「本当にそう」
#5 Talk Work
福原「次はアレかな。Talk Work。一番古いかな、このアルバムの中で。もう10年くらい……」
柿川「ライブでもやってたもんね」
福原「やってたやってた」
JT STUDIO「ね、なんかそういう話を……」
福原「10年くらいは経つかな……。なんだかんだ言って、ブルース大好きだから。あとね、ニューオーリンズのね、このリズムの感じが好きだったの」
JT STUDIO「なるほどなるほど」
福原「これもね、なんとなくポッとこういう……Aメロの感じ、ここが最初に思いついて。じゃあニューオーリンズっぽい感じの曲にしようって思って作ってて。でさ、ほらライブやるときにセッション曲とかにもっていきやすい曲だしね。ただのブルースじゃなくて、ちょっと捻ったブルースだから。で、Talk Workってのはイメージ、このメロディーのイメージが喋ってる感じのイメージだったから」
JT STUDIO「うんうん」
福原「で、たまたまその時、テレビで見てたら明石家さんまさんが出てて、“この人喋りでここまで上り詰めたんだな”と思って。で、“アレ待てよ?”と。トークの仕事だから、”Talk Work”でいいか。と」
JT STUDIO「へえーー」
福原「だからこの曲やってるとね、明石家さんまさんの顔が浮かぶね」
柿川・JT STUDIO「ワハハハハハ!(笑)」
JT STUDIO「曲を聴いても想像つかないです(笑)」
福原「でも勿論、さんまさんの為に書いた曲じゃないけど(笑)」
JT STUDIO「はい(笑)」
福原「この曲はでも、アルバムの中で一番長い曲だから、で、色んな楽器が一番ソロ取ってるから。・・・でもソロの流れとか絶妙ですよ。これ」
JT STUDIO「これはその、さっき言ってた10年前に作られて、色んなライブでも演奏してきて、ってことだと思うんですけど。初音源化、ですかね」
福原「初音源化ですよ。宮崎君(※sax)も何度も演奏したことのある曲だからサックスは宮崎君以外考えられないって感じで」
……※聴いてる
福原「サックスとの相性がいい曲だからね。本当に」
JT STUDIO「でもライブも、今回の音源があっての、ライブっていうのも楽しみですよね」
福原「本当に。ライブで映える曲ですよ。これは」
JT STUDIO「それこそお客さんも『おっ!』ってなって乗りやすいし。『さあ、次はどの楽器がソロを!?』みたいなのも楽しみかもしれないですね」
福原「いや~宮崎君のソロがまたいいんだよなあ……」
JT STUDIO「このサックスソロすごくかっこいいですよね」
福原「すんげえかっこいい」
柿川「これ全部ワンテイクだもん」
福原「宮崎君、そうでしょうよ。とんでもなく上手いもん。彼」
柿川「いや、とんでもない。みんな引いたもん」
JT STUDIO「引いてましたね(笑)」
柿川「ええ!?って(笑)」
JT STUDIO「なぜそれが出るの?みたいな(笑)」
福原「本当に上手い。宮崎君は。最高ですね」
♯6 Night Jam
福原「次は……Night jamか。これはね……そうだな」
柿川「そうだ、アレンジ足したんだよねこれ。イントロにね」
福原「そうそう。夜の感じ出してくれたよね。本当に。アルバムの中で、俺の中で一番フュージョンというのはやっぱりこの曲かな。でもどうしてもブルースよりのフュージョンになっちゃうけどね。どうしても」
JT STUDIO「今はもう死語なのかもしれないですけど、”アーバン”って感じがしますよね」
柿川・福原「アーバン!」
福原「そうそうアーバンですよ。これは。なんかね、東京っぽい」
JT STUDIO「東京っぽい。ああ」
福原「東京ナイトって感じですこれは」
JT STUDIO「ああ~」
福原「ビルとかが浮かぶよね。これ」
柿川「そうだね。だから、レインボーブリッジのループ橋の芝浦の感じが」
JT・福原「はいはいはい」
JT STUDIO「キラキラしてる夜景の中を車乗ってるイメージが……」
柿川「そうそう。車。で、江東区の方向かってる道すがら的な……」
福原「都市の感じよね。イメージは。ニューヨークとか、東京みたいなさ。でも全然ロスの自然見ながら聴いても良さそうだけど」
JT STUDIO「うんうん」
福原「でもなんか、アーバンな感じだよね。これは」
JT STUDIO「なんか……一番……一番っていうと語弊あるんですけど……(笑)」
福原「いや全然全然どうぞ」
JT STUDIO「なんか、一番ワインが浮かびます」
福原「あ、あ、なるほどね」
JT STUDIO「赤ワインを飲む、イメージ」
福原「確かにね……」
柿川「けどね、俺出来上がって聴いて思うんだけど、このリードギターの空間のちょっとの差で、イメージが変わると思う」
福原・JTSTUDIO「ああ~」
柿川「やっぱりね、このギターのエフェクトのディレイだったり、その深さが、変わったら、もしかしたら今兄ちゃんが言った通り、西海岸で聴いてもおかしくない感じになりそうだな。みたいな」
JT STUDIO「そういう意味で今回は都会に合うお化粧をした、という」
柿川「うん、お化粧的に聴こえるな~って。今やっぱりふっと聴いて思った」
福原「でもそうかもね、本当にね」
柿川「このローズ(※フェンダーローズ)にしても、……」
JT STUDIO「先日のライブで、演奏したらちょっと曲の印象が変わったっていう意見もあったりして」
※Night Jamのギター収録前日にBack Bay Gangのライブがあり、そこでNight Jamが演奏された
福原「これはアンプなんかも馴染んできたっていうかね、音がね。それもあるし、何よりもライブで一回やったフィーリングの感じで、これはもう一回だけ、最新テイクのソロを録りたいなっていう。でね、それが良かった」
柿川「うん、良かった」
福原「やっぱりね、ライブでやったことあるかないか、っていうのは実は結構大きい違いがね」
JT STUDIO「楽曲の解釈が変わりますもんね」
福原「そうそう。ちょっと広がった感じになったもんな~。うん。なんとなくね」
JT STUDIO「この曲も多分、ライブで聴くと全然違う聴こえ方をする曲だと思うんです」
福原「そうそう。テレーテレレッレーっていうAメロ弾いた瞬間、気持ちいいー!とか思うもん」
柿川・JT STUDIO「ああ~」
#7 2 Dogs shuffle
JT STUDIO「じゃあ最後の曲。 2 Dogs shuffle ですけど」
福原「僕の息子と二人でやった曲で、僕も息子も戌年なんですよ」
JT STUDIO「そうなんですか!」
福原「で、それで……、僕も犬飼ってるし、犬大好きだから。二人の戌年が2 dog bluesっていうよりは、シャッフルのリズムだから。ツッツツッツっていうね。それがパッと浮かんで。別にタイトルとかはそんなアレだったんだけど、どうせだったらテーマ、メロディーのテーマも、と思って」
JT STUDIO「はい」
福原「パッと、セッション曲として、ものの数秒で作った曲」
柿川・JT STUDIO「ワハハハハハ!!(笑)」
福原「本当に。フィーリング。突然バッと降りてきた。まあもう、この感じだよなっていう」
JT STUDIO「なるほど」
福原「レコーディング当日まで、息子には『まあ、キーはGかな?』みたいな。『まあGのブルースだから』みたいな。パって開けてみたら『え?何?曲のタイトル決まってるの?メメロディテーマとかもあるの?』みたいな」
JT STUDIO「へええ~」
福原「スタジオにつくまで息子には『Gのブルースだから。』ってそれだけ。だから別に家でも準備してきてないし。スタジオ入って……パってやる、新鮮さ、みたいな」
JT STUDIO「そうだったんですね。この曲が最後にきて、凄くホッとします」
福原「そうなんですよ。まあ、だからさっきも言ってたようにちょうどいい時期が来たっていうのは、息子もギタリストとしてのキャリアを積み始めたばかりだから、それもまたアルバムに参加してもらう年齢としても全然OKで。何より俺がNOBU CANE入った年齢だったから。23で入った時と同じ年齢だったから。だからちょうどよく参加……で、二人でやるってのもこういう機会じゃないとなかなかね」
柿川・JT STUDIO「うんうん」
JT STUDIO「本当に。僕のイメージですけど、二匹の犬がじゃれあって遊んでいる、という」
福原「そう!それでいいの。それそれ!」
柿川「俺なんかゆりかごに乗ってた蓮音しか知らなかったもん」
JT STUDIO「アハハハ!」
福原「まあ、なかなかそれも感慨深いよね」
柿川「感慨深いよ!それがもう酒飲んでんだもん!」
全員「ワハハハハハ!」
福原「本当だよ(笑)父親の目で見ちゃうよね」
JT STUDIO「もうこんな歳になったかーって(笑)」
福原「そうなっちゃうそうなっちゃう。でも最後の曲でアコースティックのブルースで〆るっていうのもね、丁度いいんですよ。ワイン飲みながらちょうどよく聴けるっていうか」
JT・柿川「うんうん」
福原「どっかでこう、アコースティックの感じで耳を休ませて、とりあえず終了する、みたいな。そういう意味では、こんな事言うのもあれだけど、理想的な曲順と、理想的な時間。40分以内で聴ける、みたいなさ。46分テープに入る、というね」
JT STUDIO「はいはい」
福原「最後こう、アコースティックの良い音でミックスもしてくれてるしね」
JT STUDIO「音像も、グッとくる感じがしますよね」
福原「被せとか無しの、一発録り、みたいなね」
JT STUDIO「うんうん」
福原「それもかなりナチュラルな感じがしますよね」
■ファンの皆様へ
JT STUDIO「じゃあ全曲紹介も終わったところで、最後に皆さまに向けて」
福原「いや本当にありがたいことに、心待ちにして頂いている方々もいらっしゃって、本当にありがたいことで。その期待に応えられる内容にはなってると思うんで、自信を持ってね、僕とひんみと、みんなで作ったアルバムだから、まあ一人でも多くの人に聴いて欲しいなっていうアルバムですね。楽器の良さとか楽しさが出てるアルバムなので」
JT STUDIO「ほんと、色々なシチュエーションに合うアルバムになったなーという気がしていて、本当に何度も何度も聴きたくなるアルバムですね」
福原「メロもキャッチーだからね。俺もひんみもやっぱり昔からシングル好きだからね」
柿川「そうだね(笑)」
福原「本当に。シングル大好きだから。メロディーあるもの大好きって感じだから、それも出てるし。あとはやっぱこう、細かい直しとかもなく……本当にそのままの感じでね。素材を活かしたという感じで。2 Dogs Shuffleまで聴き終わったときに、『ああ、楽しいアルバムだったな』と思ってくれればもう最高です」
柿川「俺からしたら、25年。四半世紀の集大成かな、と思ってます。これは当時25年前に一緒にやってた時に『一緒になんかやろうね』って言った、その25年後の、最初の形かなっていうか」
福原「これはでも、スタートだよ。キャリアを積んで、余裕がある状態で出来るわけだからさ」
ロングインタビュー楽しんでいただけましたでしょうか?
先行発売日まであと少しです!
本当に良いアルバムとなっております!
お楽しみに!
福原将宜 PREMIER CRU ~1ER CRU~
多くのアーティストを支えてきたギタリスト
福原将宜 初のソロアルバム
日本を代表する豪華参加ミュージシャンと共に作り上げた
ギターインストゥルメントアルバム 全7曲入り
発売日:2017/1/10
販売価格:
特典付き期間限定パッケージ¥2,600(税込)
通常CDのみ¥2,000(税込)
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